日本と日本以外の国の人へ

かつて日本は、ヒロシマ・ナガサキの二つの都市に投下された原水爆によって破壊され、多くの人が放射線に被曝し、さらにそれから9年後には第五福竜丸がビキニ岩礁における水爆実験で被曝し、その脅威と人体に与える影響を身をもって体験しています。
その後、我国ではそれほどまでに強力な「核」の力をなんとか「平和利用」出来ないものかと考え、安全性に配慮しながら原子力発電を推進してきました。

しかし、2011年3月11日に東北・関東を襲った地震とその後の津波によって、福島第一原子力発電所の安全設備は脆くも崩れ去り、日本国内はもちろんのこと、地球環境に大きな損害を与えてしまいました。

今回一番被害を受けたのは福島県の人々、周辺・近隣で生活を営んできた漁業・農業関係者、高レベルの放射線の影響を受ける乳幼児や胎児、そして原発周辺に暮らしていた動植物です。

しかし同時に、日本国民の一人として私は、今回の大規模な汚染と、これまで原子力利用の推進を止められずにいたことをとても残念に思います。そして、日本政府が正式に世界へ向けて謝罪することを望みます。

また、今回の日本の失敗から、私たち自身はもちろん、全人類に学んで欲しいと思います。
人のコントロールには限りがあるということを。

2011年4月 武川 彦