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『心理療法の感想・FAQ』について

オープンカフェでウワサになっていた心理療法をQ&A形式にまとめました。
すべて、実際に受けた人による個人的な感想です。
それぞれの詳しい治療法などについては、各療法のサイトでお調べください。

※ご協力してくださった方、ありがとうございました。訂正や追加などありましたらメールください。それと、何年のリポートなのか、わからなくなってしまった方がいます(メール紛失)。よければ教えてください。また「リポートを送ったのに掲載されていない」という方も(いるかもしれない)、ご一報ください。

※リポートは随時募集しています。ここにある心理療法でも、ここにない心理療法でも結構です(ただし、ご自分で実際に受けた感想に限ります)。

2009年5月 パーシー

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あらゆる心理療法に共通する一般的な問題点

  • 通常、健康保険は効かなくて、高い。
  • 治療は、先生との相性や信頼関係、そして先生の力量にかかっている。
  • 効果が出ない(出なくなった)のに、引き止める先生がいる。
  • 治療を始めると具合が悪くなる。
  • そもそも虐待PTSD は、どんな心理療法であっても治しにくい。

様々な心理療法(目次)

脱感作系(不安反応とリラクセーションを拮抗させ、不安を低減させる)

ヒプノ系(軽いトランス状態で、カタルシスや、洞察や、認知行動療法を行う)

アート系(自己表現による洞察や、リラクセーションによるストレス症の治療)

EMDR Eye Movement Desensitization and Reprocessing(眼球運動による脱感作と再処理法)

国内の代表的なサイト ⇒日本EMDR学会

Q1 EMDRは何に効いた?

  • 受診先で、ある出来事についてEMDRを受けた。EMDRをしたあとは、その出来事がベールに包まれたような感じになることもあるので、効いているのかもしれない。(ねこぜ)
  • ひとつ目の「SAによるPTSD」には効果があり、治療終結宣言まで出た。その後は受けていない。(萠子)
  • 最近のことには効いたと思う。(れんちゃん・虐待サバイバー/2004年)
  • 特に身体のコワバリや、頭ではわかっていても体感として取れない後悔感や罪悪感に効いた気がする。あと、「誰かにわかってほしい」と、酔ったときにSA体験をいろんな友人にしゃべりすぎる癖が、すっと消えた。(わたなべ/2005年)

Q2 EMDRの副作用は?

  • 涙が出てフラバり、どんよりしてしまい、帰り道もフラフラで、1回でやめた。とてもとても辛い作業だった。(ねこぜ)
  • いろんな記憶が出てきたりしたので、受けてからの1週間くらいがきつかった。EMDRを受けて帰宅するときは、車の運転に細心の注意を払っていた。(萠子)
  • 私の場合は副作用があって危ないと思ったが、治療者が優れていれば問題ないだろう。(れんちゃん・虐待サバイバー/2004年)
  • 私の場合は身体が軽くなった感じと同時に、サウナにずっといたときのような脱力感、フラフラ感があった。(わたなべ/2005年)

Q3 その他のEMDRの難点は?

  • 「単発のPTSD」などにはいいのかもしれないが、「過去の・長年の虐待」にはやはり不向き。(れんちゃん・虐待サバイバー/2004年)
  • 高田馬場のM医院のK院長は、EMDRを「患者を解離状態にして人格交代(呼び出し)をさせる」ために使用していた。結果は散々で、その後ひと月間、常に誰かが見張っていないと何をしでかすかわからないような、解離性同一性障害の「意識内部の錯乱」が起きた。ある人格状態(幼児期の虐待サバイバーで、K院長による治療の初期の段階では軽いものだった)は、EMDRを受けた後「悪夢が頻繁に続くようになり逆に具合が悪くなった」そうだ。結局、EMDR本来の目的ではなく「人格交代」のためだけに使われた結果、悪影響が出た、という感じ。にもかかわらずK院長は「EMDRが解離(人格交代)状態になるきっかけになる」という内容の論文を書いている。また、他の人格状態の存在しない「解離性健忘」の患者にまで、人格交代をさせようとしているらしい。K院長は「DID患者をたくさん診てきている」と意気揚々としているが、医原病を生み出してる可能性も高いなぁ…という感じで、今は別の治療所を探している。それはそれとして、EMDRがひどく解離を促進するのは確実なので、解離性障害や催眠感受性が強い人は一人で受けるのは危険かもしれない。(存微・虐待サバイバー、DID/2004年)
  • コンタクト(ソフトレンズ)だったのですが、冬だったせいもあるのか、目を連続で動かしてると、目が乾いてそっちに気がいって集中できなくなる。治療者も「眼鏡をもってきてというのを言い忘れてた!」と言ってた。(わたなべ/2005年)

Q4 EMDRの総評は?

  • 私が期待していた「完治」とまではいかなかった感じ。(ねこぜ)
  • EMDRについての知識をきっちりと持っている治療者だったので安心できた。適当な知識で行うと副作用で大変だと思う。(萠子)
  • やはり単発のSAに効くのかしら。治療者との信頼関係って大事だと思った。自分が「EMDRしてみよう」と思うまで待つのが大事な気がする。私の場合はこのEMDRをもってカウンセリングは一応終結となりました。(わたなべ/2005年)

TFT Thought Field Therapy(思考場療法)

国内の代表的なサイト ⇒日本TFT協会

Q1 TFTは何に効いた?

  • 「フラバ真っ最中」とか「悪夢」とかには魔法のようによく効いた。罪悪感が軽減して生きづらさが多少マシになり、行動範囲が広がった。電話で受けられるので助かった。(さんぷる:C-PTSD)

Q2 TFTの副作用は?

  • 治療中に多少の苦しさを感じたことはあるが、過敏な体質なのでそのせいかもしれない。(さんぷる:C-PTSD)

Q3 その他のTFTの難点は?

  • トラウマの種類が多くていっぱい棚上げしていたので、ひとつやっつけると別のトラウマが「待ってました!」と棚から下りてきて、苦しくて次々に処理しなければならず、お金があっという間になくなった。全力疾走させられている感じだった。(さんぷる:C-PTSD)
  • 「小麦粉、砂糖、長ネギ、アルコール、お茶、匂い」など、多くの物質が「間接影響物質」として引っかかり、TFTを受けたことで逆に気分が落ち込んだ。(どさんこ)
  • 嫌だったのは「何を食べてはいけない」「何を飲んではいけない」などというところ。(れんちゃん:虐待サバイバー/04年)

Q4 TFTの総評は?

  • 私はPRも強くトキシンも多かったので、セルフケアの苦手な私にとっては、コストと手間のわりには思うように効果が上がらないと感じ、少し楽になった時点で治療を中断した。怒りの処理にはハコミセラピーがいいかも。(さんぷる:C-PTSD)
  • 自宅でできるというので試したが、フラバとかパニックになってからではできないので、いまは離れている。(ねこぜ)
  • そのときの調子を良くすることはできるかもしれないが、これに時間や費用を使うと、肝心の「虐待で受けた心の傷に直面すること」が、何となく先送りになってしまうような感じはあるかもしれない。TFTだけで虐待からの根本的な回復に繋がるかは疑問があるので、他の治療法も採り入れながらやるとよいと思う。(れんちゃん:虐待サバイバー/04年)

EFT Emotional Freedom Techniques(感情解放テクニック/TFTを自分でするための簡易版)

国内の代表的なサイト ⇒EFT-Japan

Q1 EFTは何に効いた?

  • 「名前恐怖」と「ここ数年のティアレストラウマ」に効いた感じがする。「名前恐怖」は、やり始めは苦しかったが、10ラウンドくらいでほとんど治まった。「ティアレストラウマ」は、毎回、EFT→象徴的な夢→夢の中で号泣→泣きながら目が覚める→気付き……ということが起こったので、これはいわゆるトラウマ治療(=記憶と感情の統合)かも?(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q2 EFTの副作用は?

  • 特にナシ。泣くのが辛いくらい。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q3 その他のEFTの難点は?

  • EFTが効かない問題もある。ある動物恐怖は何ラウンド繰り返しても恐ろしいばかりで、チューニングに耐えられなくなって頓挫した。その後は、その動物を目てしまったときにパニックを抑えるためにEFTをしている。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q4 EFTの総評は?

  • とにかく本かサイトで覚えて自分でするものなので、どこかに通わなくていいからラク。お金もかからないし。その場のパニックにも、積年のトラウマケアとしても使える。手順をすっ飛ばしても、設定の言葉がズレていても、トキシンまみれでも、効くことは効く。トラウマ持ちの健康法としてはイチオシ。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

FAP Free from Anxiety Program(不安からの解放プログラム)

国内の代表的なサイト ⇒インサイト・カウンセリング

Q1 FAPは何に効いた?

  • セラピーを受けている所でFAPを教えてもらった。「理由のない不安から来るパニック状態(頭の中が真っ白になる)」「罪悪感」「人から拒否される不安」などに有効だった。FAPをやると症状が落ち着いてくるので不思議。(sandalwood:虐待サバイバー、不安神経症、C-PTSD)
  • 対人緊張が少し楽になった。(るみ:対人緊張、あがり症、パニック障害、うつ/03年)
  • 「過緊張」を取るFAPを受けた。緊張できなくなって精神的に多少不安定になり、生活上の能率も落ちたが、身体は前より楽になり、過食の衝動も起こらなくなった。(さんぷる:C-PTSD/FAP1回目後)
  • まだ数回だが、抗うつ剤と睡眠剤の量は少しずつ減っている。(ミモザ:虐待といじめのサバイバー、うつと不眠、いじめのフラッシュバック)
  • 「特定の個人への恨み」「反応性の幻覚・妄想」「生理前のパラノイア」に爆発的に効いた。一番多かったFAPは「DID」(10回)で、人数は減らなかったけど、そのまま少し調和に向かった感じ。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q2 FAPの副作用は?

  • 一般的にいう「副作用」とは違うような気がするが、FAP中に一時、身体が重くなったり、少し息苦しさを感じたりしたが、すぐに治った。「過緊張」を取ったあと数日間は、緊張のせいで感じなかった倦怠感をモロに感じて何もできなくなり、時間があれば横になっていた。(さんぷる:C-PTSD/1回目後)
  • FAPを受けた晩に悪夢を見たり、怒りやうつ状態が何日も続くことがあった。でもそのあと何かしら気付きがあったので、必要悪なのかも。ただ「3歳のトラウマ」と「うつ病」を、時間の関係で2回に分けることになって、1回目のあとに激うつに襲われて、うっかり自殺しそうになった。やばかった。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q3 その他のFAPの難点は?

  • 金銭的に大変ピンチ。まだ完璧ではないが、少し良くなったのでしばらく休むことにした。(るみ:対人緊張、あがり症、パニック障害、うつ/03年)
  • 現在FAP治療を休んでいる。実はあまり元気ではない。休み始めのころは今までにないほど気分もスッキリしていたが、徐々にうつが戻ってきてしまい、今は気分がどんより。近々またICCに通わなくては…、という具合。(るみ:対人緊張、あがり症、パニック障害、うつ/03年)
  • 予想通り、お金がかかりそうなこと。(さんぷる:C-PTSD/FAP1回目後)
  • 当たり前だけど「FAPが効かないもの」には効かない。でもやってみないと効くか効かないかわからないので、余分にお金がかかる。それと、ひどい状況の真っ最中でもFAPはそれなりに意味がある(元気や勇気が出たり)。でも環境が変わらないと、効果は、そこ止まり。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q4 FAPの総評は?

  • 催眠系が怖い私には向いていると思う。また「FAPの技術の優劣」以上に「診断技術の優劣」が大きく作用すると感じた。私の主訴の中に「過緊張」はなかったが、先生の判断で「過緊張」のFAPを行なった。それはたぶん正しかったと思う。(さんぷる:C-PTSD/FAP1回目後)
  • あらかじめ「○回分の予算内で、この問題をなんとか…」という感じで、予算と目標を設定しておくといいと思った。また、高原状態(何の効果も感じられない時期)は必ず来るので、いったんお休みにしてもらうといい。カネの切れ目でFAPをやめて、今生の恨みをまた一つ増やすのだけは避けたい。(以上は、どんな心理療法にも言えることだけど)(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q5 FAPもTFTのように自分でできるのか?

  • 自分でFAPをするなら、TFTをするのと同じだし、だったらEFTのほうがやりやすい。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q6 TFTでは、人によって「何かを食べてはいけない」「飲んではいけない」というものがあるが、FAPにもあるのか?

  • FAPでも私は多くの禁止飲食物を指摘された。カフェインはもちろん、パン、柑橘類、ピーナッツ、マッシュルームなど。私には体質の問題もあるようなので、そのせいかもしれないが。(さんぷる:C-PTSD/FAP1回目後)
  • 前型FAPでは「間接影響物質」の概念はあったが、新型FAPでは「間接影響物質」自体もFAPで影響を取り除くことができるようになったそうなので、TFTのように「お手上げ」にはならないと思われる。私も今のところ制限が必要だとは言われていない。(どさんこ)
  • トキシンがどーしたこーした以前に「パニック持ちはコーヒーは禁止」というのが世間の常識だったらしい。私は幻聴さんが来るからコーヒー禁止になったけど、コーヒー飲んでも飲まなくても、どのみち調子が悪ければ恐い幻聴さんが来る、ということに気が付いて、また飲むようになった。ちなみに友人は今も通っていて、食餌療法を徹底していて調子がいいようなので、人それぞれだと思う。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q7 FAPで「トラウマを消す」とはどういうことなのか?

  • 「記憶と感情を統合させる」ということらしい。(パーシー:C-PTSD/04年)

Q8 FAPはストレス性の頭痛や腹痛には効くか?

  • 効くと思う。ある程度。逆に、身体が原因だったらどんな心理療法でも治らない。当たり前だけど。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q9 FAPで治った症状は再発しないのか?

  • 「あるストレスで起きる反応」は、また起きる。でも何も手当てをしていなかったときよりは少しはマシかも。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

Q10 FAPは、いわゆる「12回」で終わりそうか?

  • 虐待PTSDは無理でしょう。(パーシー:C-PTSD/2004年/2008年プチ改訂)

トランス・セッション(イメージ催眠セラピー)

国内の代表的なサイト ⇒エンパワメント・センター

Q0 トランス・セッションとは?

  • 軽い変性意識を利用して深層心理や無意識に働きかける療法で、いくつかやり方があるらしい。具体的なやり方は『癒しのエンパワメント』(森田ゆり著/築地書館)所収「イメージ催眠セラピー」に詳述されている。その他、手元にある深層心理に働きかける療法の関連文献。『トラウマとジェンダー』(宮地尚子編/金剛出版)所収「中絶のトラウマ・ケア」。『無意識を活かす現代心理療法の実践と展開—メタファー/リソース/トランス』(吉本雄史・中野善行編/星和書店)。(くろたけ:MSSA・虐待サバイバー/04年)

Q0 トランス・セッションではどんなことをするのか?

  • セラピストに静かに話しかけられながら、頭というか心の中で、私とインナーチャイルドが会話をするというものだった。集中力がとても必要だった。(kasumi:SSA・虐待サバイバー)
  • 最初に腹式呼吸や深呼吸を繰り返していき、無意識の中に入ってゆく。リラックスした状態でトランス状態(催眠というか、より軽い変性意識)に誘導してもらい、その中であらかじめセラピストと決めておいた課題に取り組むというやり方だった。わたし自身の意識ははっきりしているし、セラピストから話しかけてもらうことで進めていくが、だからといって自由に歩き回ったり話したりできるわけではなく、なんというか、お風呂の中で目をつぶってくつろいでいる状態というか、夢と覚醒のちょうど中間のような、そんな状態だった。(くろたけ:MSSA・虐待サバイバー/04年)

Q1 トランス・セッションは何に効いた?

  • 「子どもらしく育つとことができなかったこと」と「実父からの性虐待」についてセラピーを受けた。インナーチャイルドとたくさん会話した。「その子どもを家につれて来る」ことが私の目標だった。呼吸を整えて、深呼吸をして大きな木の中に入っていく…。そんな感じで階段が10段あって、エレベーターみたいにぐぐ〜〜〜っと下がって行く感じだった。着いた所はバスの停留所。そこでインナーチャイルドと出会い、何度か会話して、「一緒に帰ろう」と連れてきた。1〜2カ月に1回のペースで、1年半で完治した。家に帰ってからも、1時間くらいインナーチャイルドとの会話を試みたりしていると、身体の中で変化が現れる。「ここにいるよ」と合図をくれたりする。インナーチャイルドをこちらに連れてきてから、ときどき人格が入れ替わったりしている。それは記憶にあることで、「オオ〜ッ入れ替わった」とわかる。それで10歳児に戻ったり、大人になったりしていたので、家族は「お姉ちゃんに変身!」とか「ママに戻った」とか言っていた。また、地元で、うつの治療を受けていて今年で丸3年になるが、不眠の治療だけになった。(kasumi:SSA・虐待サバイバー)
  • 取り組んだ課題は「母と父からのアビューズの問題」で、2回に分けてやった。特に「アビューズと愛情との間に折り合いをつけられるようになる」ことが1つの目標だった。何に効いたかというと、ちょっと説明しがたいが、要するに1日中トラウマに乗っ取られて生活することがなくなった。つまり記憶に支配されることが、ずっと少なくなった。何が起きたかをちゃんと認識できるようになったし、トランスの中で父や母に言いたいこともいえたし、記憶を心の中の箱に収めることもできるようになった。記憶や感情の統合が進んだということかな。(くろたけ:MSSA・虐待サバイバー/04年)

Q2 トランス・セッションの副作用は?

  • 終わった直後は、ぼわ〜〜〜〜んとして、ホテルに帰ると爆睡した。(kasumi:SSA・虐待サバイバー)
  • 特になかったが、セッションを受けた後1〜2週間くらいは、気づきや感情面が非常に活性化した。まあ、良い方向へ向かっての突貫工事の時期だったようで(笑)。セラピストも、セッション後の1〜2週間は大切な時期だと言っていた。(くろたけ:MSSA・虐待サバイバー/04年)

Q3 その他のトランス・セッションの難点は?

  • 私は遠距離での治療だったので手紙を書いた。その作業が少し大変だった。(kasumi:SSA・虐待サバイバー)
  • ひとえにセラピストの力量にあると思う。深層心理や無意識に働きかけるセラピーは、切れ味も鋭いけど、それだけに危険も相当あると感じた。力量はセラピストとクライアントの相性云々以前のことだし。日本では熟練の良いセラピストをどうやって見つけるか。あと、クライアントは、よく説明を聞いて、自分が安全だと思ったら取り組むのがいいと思う。不安や恐れを感じているうちは、セラピストのペースで受けるべき療法では決してない。(くろたけ:MSSA・虐待サバイバー/04年)

Q4 トランス・セッションの総評は?

  • 料金は1時間(お話しを聞いてもらう)で1万円。トランスセッションが、2時間2万円。私の場合は「自然治癒力がとても強く、自己解決ができるタイプ」とのことだった。(kasumi:SSA・虐待サバイバー)
  • 結果的に、わたしには非常に合っていた。効果があった。2・3回のセッションで、かなり劇的に好転したといってもいいと思う。6ヶ月ほどで一応終了した。費用は、カウンセリングが90分で1万円、トランスセッションは2〜3時間で2万円だったと思う。催眠や深層心理を使った療法も年々進歩しているんだろうと思う。わたしが受けた方法は、どうやらサバイバー向けにかなり特化した工夫が施されているように感じた。たとえば、トランスに導いてもらった後、いきなり問題(たとえばトラウマの記憶)を扱うのではなく、まずは自分を守ってくれる「光」に全身が包まれるようにし、さらに遠くの丘の上の大きな木までゆっくり歩いてゆき、そして木の根本から一段ずつ階段を下りて行く。一段降りる度に、トランスもリラックス感も安全感も深くなるように誘導されていた。セッションが終わるときも、始まりとは逆の道筋を通ってゆっくりと帰ってきた。全体として、安心とリラックスを常に感じられるように配慮してあり、わりと心地よい体験だった。他にも「セレモニー(シンボル・儀式)」と「トランス」を併用したセッションもして、効果があった。トランスに入れるかどうかは、わたしの場合はセラピストに対し、どのくらい信頼感をもてるかにあったように思う。振り返ってみると、そのセラピストは誠実な方だったと思う。「男性サバイバーのカウンセリングは初めてだ」と言っていたが、男性性被害の知識もちゃんとあった。催眠や深層心理に働きかけるセラピーでは、「どんな療法を選ぶか」より「誰をセラピストに選ぶか」のほうが、はるかに重要だと感じる。つまり「療法」ではなく「人」で選ぶ。良いセラピスト(精神科医やカウンセラー)を探すのは、たしかにまだ容易じゃないが、あきらめずに探ことだと思う。情報としてはクチコミが一番信頼度が高いかな。それに、サポートというのは、求めないと、つまりクライアントのほうから要求しないと生まれてこないから。(くろたけ:MSSA・虐待サバイバー/04年)

インナーチャイルドセラピー Inner child therapy

参考文献 ⇒J. ブラッドショー著『インナーチャイルド―本当のあなたを取り戻す方法』

Q0 インナーチャイルドセラピーではどんなことをするのか?

  • 「インナーチャイルドセラピー3時間コース」を受けた。まずカウンセリング(1時間半)で、現在悩んでいることや生育歴を話す。その中で、あるキーワードが浮上。「これが、人生で望む方向に進むことを妨げてきたらしい」ということで、このキーワードを使ってセラピー(1時間半)を行うことに。「自分の生きづらさの特に大きな原因になっている」と思う性虐待が起きた場面にまで退行する。ただし当時の記憶そのままでなく、「本当はこう振る舞いたかった」方向に導かれる。そして、おとなの私と共に、当時の子どもの私は、その場所を去る。その後いろいろプロセスがあり、その中で「本当はこうありたかった5〜6歳の私」が出てくる。その「チャイルドの自分」と、ある約束をして現実世界に戻ってくる、という感じ。受けた直後は、ものすごく脱力して、ものすごく笑えてきて、同時に泣けてきて、摩訶不思議な状態だった。スキップしたり、でんぐり返りしたり、クルクル回ったりもした。

Q1 インナーチャイルドセラピーは何に効いた?

  • その後1か月間くらいスッキリ感はあった。セラピーで焦点を当てたSAに関しては、思い出しても以前より遠くに感じるようになった。加害者に対しても以前ほどには怒りを感じなくなっていた。ただ「まだ何か残っている感」もあり、以前よりも感情の起伏が激しくなることがあった。そんな中、「私の女性性を歪めていたもの」の正体について、いくつかの気付きがあった。特に「今まで自分の恋愛が上手くいかなかった原因はこれか!」という気付きは大きく、セラピーを受けてから約1か月後、これまで自分にかかっていたネガティブなフィルターが外れるのをハッキリと感じた。

Q2 インナーチャイルドセラピーの副作用は?

  • 以前よりも感情の起伏が激しくなることがあった。

Q3 インナーチャイルドセラピーの総評は?

  • 私が受けた「インナーチャイルドセラピー3時間コース」は2万5千円(2回目以降は「2時間コース」で1万8千円とのこと)。私はとりあえず1回受けて様子を見ようかな、といったところ。私の場合、約1か月かけてジワジワ効いてきた感じ。(DELICO/2011年7月)

Q4 追記

  • その後、驚くべき変化があった。正月に久しぶりに両親と会ったところ(母親は心理的性虐待の加害者)、かれらに対するわだかまりが、全くといっていいほど無くなっていた。まるで「記憶が書き換えられた」がごとく。私には「虐待親」なんていなかったかのごとく。これで、祖母からの性虐待も含めて「親族からの性虐待」の後遺症は、ほぼ克服できたと言ってもいいかもしれない。ということで、やっぱりインナーチャイルドセラピーは効くみたい。回復の速度を速めたければ、こういうセラピーの助けを借りるのもいいかなと思う。ただ両親との関係がスッキリした(?)一方、父親とのパワゲーの後遺症が現在の恋愛関係にモロに反映されていて、それは今後の課題かな、と。(DELICO/2012年4月)

前世療法

参考文献 ⇒B.L. ワイス著『前世療法―米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘』

Q1 前世療法は何に効いた?

  • 効いたというより恐かった。でも面白かった。実際に役に立ったのは、その先生から教わったことのほうかも。「災難に遭い続けたのは自分の選択(全力で避けようとはしなかった)」、「親を全否定すると、親の言動すべてが禁じ手になって、不自由で無防備な人生になる」…というようなこと。なるほどなーと。(パーシー:C-PTSD/2008年)

Q2 前世療法の副作用は?

  • 特にない感じ。(パーシー:C-PTSD/2008年)

Q3 その他の前世療法の難点は?

  • 「前世」の出来事によってはトラウマ増えるかも(私の見た「前世」は恐ろしかったし、つらかった)。それと先生が下手だと、「前世」以前に、催眠すらかかれない。(パーシー:C-PTSD/2008年)

Q4 前世療法の総評は?

  • 今まで受けた心理療法の中でカタルシス度は1位。「前世=自分の過去のメタファー」、「前世療法=前世イメージ療法」だと思った。自分で「自分専用の物語」を想像して、自分で感動する感じ(自分専用だから当然感動する)。とにかく面白かったんだけど、先生が怒りっぽいので行かなくなった(詳細はメールにて)。ちなみに2回受けたら、何となく自分でもできるようになってしまった。(パーシー:C-PTSD/2008年)

ハコミ・サイコセラピー Hakomi Psychotherapy

国内の代表的なサイト ⇒ハコミサイコセラピー Hakomi of Japan

  • ハコミ・トレーナーと2回セッションした。1回目は、初回なので生育暦や主訴など自己紹介的な内容で終わるだろうと思っていたが、いきなり号泣してしまい、50分のセッション時間の半分を、ただ泣いていた。2回目には激しい感情は出てこなかったが、「上手く反応できなくても大丈夫」という雰囲気は印象的だった。心理療法の流派にもよるが、セラピストはどうしてもクライエントに激しい感情を表現させようとしがちで、僕自身それがプレッシャーになることが多く、上手くセッションが進まないと罪悪感さえ感じることがあった。しかしこの5回のセッションに限っていえば、(全くプレッシャーが無かったとは言わないまでも)かなり自分自身でいられた。ハコミには「ノンバイオレンス」という基本理念があり、この考え方が私にプレッシャーをあまり感じさせない要因であったのは確かだが、それと同等にセラピストとの相性も重要。(どさんこ/FAPはお休み中)

自然音楽療法

国内の代表的なサイト ⇒リラ自然音楽

  • 自然音楽を聴いたり、歌ったりするだけのセラピー。いったん悪化するが、様々な反応や気付き、夢などを通して心身とも癒されていく。私の場合、まず悪夢をみるようになり、自分の身体への不潔感が出て、それまでなかった怒りが出てきた。イメージのなかで、当時の父親に向かってNOを言いボコボコにしてやったら、それからは亡霊に悩まされなくなった。(まどか/07年)
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