
私が初心にもどりたい時に。(花園開設の経緯)
パリのアパートの一室で私は中庭を見おろしている。
中庭には細くて高い、組みガラスのピラミッドがたくさん立っている。
それぞれの先端で回るガラスの風車が、風に共鳴してハーモニーを奏でている。
私の部屋は大変古く、古い家具が調和して薄暗く美しい。
黒い文机の上に「anan特別増刊・新生活特集号」が置いてあった。
レトロな2本の薔薇の刺繍がトレードマークの、あるブランドが紹介されている。
椅子のカバーやベッドのリネン類など、どれも二本の薔薇が付いている。
私の部屋と写真はシンクロしている。
雑誌を見ながら家具をひとつひとつ見ていく。
どれも古くて美しい。
